新刊案内 「デジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)の受容性と将来展望2025-治療用アプリにフォーカスした、最適な利用法と普及拡大の方向性-」
<本書のポイント>
2020年の調査開始から3回目となる医師、患者アンケート調査と、欧米を中心とした各国の最新動向調査から、DTxの認知度や期待される領域・役割、普及拡大の方向性と市場規模推計・予測をとりまとめました
株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、保険適用が進むデジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)について、医師と患者の双方に今回で3回目となるアンケート調査を継続実施したほか、欧米のDigital Therapeuticsの最新動向をとりまとめ、その結果を調査レポートにまとめて、このほど発売しましたのでお知らせいたします。
近年、製薬関連市場においては、医療ニーズの多様化や人工知能等の技術革新、行政の規制緩和を背景に、医療とデジタルが融合した新たな市場が形成されつつあります。日本においては、2020年に禁煙治療補助システム、2022年に高血圧症治療補助プログラムが保険収載されているほか、2025年9月にはアルコール依存症治療補助プログラムが保険収載されるなど、実際の医療現場での利用が進みつつあります。また、2025年には、注意欠如多動症治療補助プログラムが製造販売承認されたほか、2023年に製造販売承認されましたが保険収載が見送られた不眠障害用プログラムの、製造販売承認事項一部変更承認申請がなされ、改めて保険収載に向けた動きが加速するなど、ラインナップの拡充が期待されます。
グローバル市場をみると、米国では2019年から2024年までの間に少なくとも35以上のDigital TherapeuticsがFDA承認を取得しており、開発中の製品は100種類を超えるほか、欧州では先行するドイツのDiGAディレクトリに登録されている製品が70件に上り、DiGAをモデルケースとした類似の枠組みが各国で整いつつあります。
第3の治療法とも表現されるDigital Therapeuticsが着実に医療現場に浸透しつつあるなか、本調査では、治療用アプリにフォーカスして第3回目となる医師と患者へのアンケート調査を実施しました。実際に治療用アプリを処方/利用している医師や患者の傾向等も踏まえながら、治療用アプリの認知度や処方・利用が適している疾患、メリットやデメリット、最適な利用シーン、現状の処方/利用のなかでの課題や不安、既存治療との比較を通じた期待感など、治療用アプリ等の普及拡大に向けたニーズ把握と受容性を検証するとともに、欧米のDigital Therapeuticsの動向を踏まえて、当該市場を展望します。
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http://store.seedplanning.co.jp/item/12148.html
本書のポイント、掲載内容、掲載例、調査概要等は以下の通りです。
本書の特徴と構成
本調査を開始した2020年からの推移をみると、医師は2020年の15%から2025年に51.9%となり37ポイントの大幅な増加となったが、患者は2020年の5.8ポイントから2025年に14.8%となり、9ポイントの増加にとどまった。
2020年12月に国内で初めて治療用アプリが保険収載され、臨床現場に登場してから5年弱となるなか、医師の認知度は全体の半数以上まで達したが、患者の認知度は上昇傾向にあるものの1割超にとどまり、利用に至っていない状況がうかがえる。DTxのさらなる普及拡大に向けた次のアクションとしては、患者の認知度向上のための取組みが求められる。
治療用アプリの利用シーンを、”予防”、”治療支援”、”薬剤の代替”、”治療後の支援”に分類して、もっとも適していると思われる領域を聞いた。
医師の6割以上、患者の4割以上が、治療用アプリは「薬剤との併用による治療支援」にもっとも適していると回答しており、服薬を含めたアドヒアランス向上に治療用アプリが有益であるとの期待がうかがえる。
保険適用の治療用アプリ、および当局の医療機器承認等がない場合においても医師等が患者に勧める疾患管理等アプリを含むDigital Therapeutics市場は、2024年に日本国内で16億円規模と推計した。
DASH for SaMD 2やプログラム医療機器に係る優先的な審査等の施行実施など、プログラム医療機器の実用化の促進に向けた法整備が進んでおり、今後も保険適用の治療用アプリを中心に、開発品目の増加や上市品の流通が進むことが見込まれるなど市場は拡大傾向にあることから、2030年には、日本国内で66億円規模に達すると予測した。
なお、今回のDigital Therapeutics市場規模推計・予測は、対象疾患が明確なアプリやシステム等のソフトウェア製品のみを対象としており、医療機器等のデバイスは含んでいない。また、対象疾患が多様な遠隔診療システムや診断支援システム等も含んでいないため、これらを含めたDigital Therapeutics 関連市場規模は、少なくとも当該推計・予測の数倍以上になる可能性がある。
※レポートでは米国市場、欧州市場についても市場規模推計・予測を算出している。
調査概要 | |
【1】 調査結果の要約 | 回答者の概要、治療用アプリの処方/利用状況、治療用アプリ等(DTx)の認知度の推移、治療用アプリ等が適していると思う疾患、治療用アプリ等を勧める患者像、既存治療と比較した際の治療用アプリ等に対する認知、治療用アプリ等のメリット/デメリットの見解、来院から処方、治療までの治療用アプリ等の負担/不安、治療用アプリ等の負担/不安に対する最適な支援者、治療用アプリ等の最適な利用シーン、治療用アプリ等の処方/利用にあたり重視すること、治療用アプリ等の普及による医療の掛かり方の変化、治療用アプリ等の保険適用への期待、治療用アプリ等の処方/利用意向、治療用アプリ等の市場規模予測 |
【2】 【医師編】回答医師の属性 | 回答医師の年代、勤務施設の所在地、主な勤務施設、主な勤務形態、現在担当している診療科、最も経験のある診療科、回答医師の資格等、1日あたりの平均外来患者数、オンライン診療の実施状況、直近1ヵ月の患者全体に対するオンライン診療実施割合 |
【3】 【医師編】診療状況について | 普段の診療に利用しているシステムやソフトウェアプログラム、オンライン資格確認の対応状況、電子カルテ情報共有サービスの対応状況、電子処方箋の対応状況、外来診療における患者とのコミュニケーション、外来診療における医療従事者とのコミュニケーション、治療用アプリの処方状況、治療用アプリを処方した患者数、治療用アプリの完遂率、治療用アプリの最適な利用期間、治療用アプリの利用期間の見解、治療用アプリを処方可能だが処方していない理由 |
【4】 【医師編】治療用アプリ等(DTx)について | 治療用アプリの認知度、治療用アプリ等が適していると思う疾患、治療用アプリ等が適していると思う疾患を選択した理由、治療用アプリ等を勧める患者像、治療用アプリ等を既存治療と比較した場合の見解、治療用アプリ等のメリット/デメリットの見解、来院から処方、治療までの治療用アプリ等の負担感、治療用アプリ等の負担に最適な支援者、治療用アプリ等の最適な利用シーン、治療用アプリ等の保険適用への期待、治療用アプリ等の処方意向、治療用アプリ等を診療に取り入れるにあたり重視すること、治療用アプリ等の課題、治療用アプリ等への期待 |
【5】 【患者編】回答者の属性 | 年代、性別、居住地、同居している家族、就業状況、スマートフォンの利用状況、ヘルスケアアプリの利用経験、利用経験のある主なヘルスケアアプリ、過去3年間に受診したことがある診療科、過去3年以内の医療機関の受診状況、現在、定期的に通院している診療科、過去3年以内のオンライン診療の受診状況、オンライン診療を受診した診療科 |
【6】 【患者編】受診状況について | 医療機関や薬局で利用を勧められたアプリやITツール、お薬手帳の利用状況、マイナ保険証の利用状況、マイナンバーカードによる医療・健康情報閲覧、電子処方箋の利用状況、外来診療における医療従事者とのコミュニケーション、治療用アプリの利用状況、治療用アプリ利用のきっかけ、治療用アプリの利用期間、治療用アプリの最適な利用期間、治療用アプリの利用を選択しなかった理由 |
【7】 【患者編】治療用アプリ等(DTx)について | 治療用アプリの認知度、治療用アプリ等が適していると思う疾患、治療用アプリ等が適していると思う疾患を選択した理由、治療用アプリ等を既存治療と比較した場合の見解、治療用アプリ等のメリット/デメリットの見解、治療用アプリ等の情報入手から治療までにおける不安の度合い、治療用アプリ等の不安に最適な支援者、治療用アプリ等の利用がもっとも望ましいシーン、治療用アプリ等の保険適用への期待、治療用アプリ等の利用意向、治療用アプリ等の利用にあたり重視すること、治療用アプリ等に対する不安、治療用アプリ等への期待、治療用アプリ等の普及による医療の掛かり方の変化 |
【8】 デジタル治療の最新動向と市場規模予測 | 米国、欧州(ドイツ、フランス、ベルギー、イギリス)、日本・アジア諸国(日本、中国、韓国)、治療用アプリ等の市場規模予測と普及拡大の方向性(市場規模予測、普及拡大の方向性) |
調査概要
医師:弊社ドクターモニター登録医師210件
患者:外部のWebアンケート会社が保有するパネル520件
米国、欧州(ドイツ、フランス、ベルギー、イギリス)、日本・アジア(日本、中国、韓国)のDTx事業者等
Webアンケート調査、公開情報・文献調査
(医師)回答医師の属性/診療状況について/治療用アプリ等(DTx)について
(患者)回答者の属性/受診状況について/治療用アプリ等(DTx)について
本調査結果を掲載したレポートの概要
デジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)の受容性と将来展望2025
― 治療用アプリにフォーカスした、最適な利用法と普及拡大の方向性 ―
2025年8月18日
A4/286ページ
株式会社シード・プランニング
書籍+PDFセット版
363,000円(税込)
「本書の構成」の項参照
本書の詳細とご購入は、http://store.seedplanning.co.jp/item/12148.htmlを参照