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排出量取引への企業の取り組み実態がまとまりました

2009/03/18

排出量をすでに購入している(予定含む)企業は、全体の8.5%
状況に応じて購入できる体制を整えている企業は、全体の11.5%
排出量を購入していない企業(91.5%)の理由ベスト3は
 1. 国内取引の動向が不透明
 2. 購入しなくても自主目標が達成できている
 3. 同業他社が購入していない

市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都台東区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、日本企業の排出量取引への取り組み実態を調べ、このほど、その結果をまとめました。

2008年より京都議定書の第一拘束期間がスタートし、日本はより一層の排出削減努力を求められています。しかし日本では京都議定書発行以前より、環境対策・温暖化対策を実施してきたため、京都議定書の目標を達成することは容易ではありません。そのため、日本は今後排出量の多い企業にも排出削減義務と国内の排出量取引制度の導入を行うことが予想され、それに先駆けて、2008年10月より「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」が開始されました。

本調査では、排出量取引の仲介・転売を行う企業5社にヒアリングを実施するとともに、日本企業165社にアンケート調査を行い、排出量取引への取り組みの現状を調べました。

調査結果の詳細は「2009年版 日本の排出量取引の現状と企業動向調査」(230ページ/2009年2月16日発刊)として販売しております。

本調査の結果のポイントは以下の通りです。

排出量をすでに購入している(予定含む)企業は、全体の8.5%

【図1】排出量をすでに購入している(予定含む)企業

排出量を購入した企業は、排出量の多い大企業が中心で、全体の8.5%、14社。 購入目的は「自社のCO2排出削減目標を達成するため」と「カーボンオフセット事業を行うため」が多い。また、環境への取り組みについては「今後の業績を左右する重要な戦略の一つとして取り組んでいる」と考える企業が多い。

状況に応じて購入できる体制を整えている企業は、全体の11.5%

状況に応じて購入できる体制を整えている企業は全体の11.5%、19社。
資本金1千億円以上、従業員数5千人以上の大企業では20%以上の企業がすでに「状況に応じて購入できる体制」を整えていることがわかった。また、19社のうち8割の企業が排出量取引のための部署の設置やスタッフの配置を完了または予定している。

購入できる体制は整えているが現在購入していない理由は「排出量取引の動向が不透明」「排出量を購入しなくても自社の目標排出量を達成できる」との回答が多い。

また、環境への取り組みについては「ビジネスチャンスである」「今後の業績を左右する重要な戦略の一つとして取り組んでいる」と考える企業が多い。

【図2】排出量取引のための部署の設置やスタッフの配置

排出量を購入していない企業(91.5%)の理由は
  1. 国内取引の動向が不透明
  2. 購入しなくても自主目標が達成できている
  3. 同業他社が購入していないため

【排出量取引の動向が不透明】
現在の日本の状況では、企業への削減義務は課されておらず、2008年10月に発表された排出量取引の国内統合市場の試行的実施においても、削減目標は自主的なものであり、本格的な実施については明らかになっていない。そのため、自主的な目標を持たない企業にとっては排出量削減の基準がない現状であり、コストをかけてまで購入する必要がないことがもっとも大きな理由となっている。

【購入しなくても自主目標が達成できる】
削減義務がない中でも多くの日本企業が自主排出削減量を掲げ、達成している。特に排出量取引への体制を整えている企業が多い。

【同業他社が購入していないため】
排出量取引への体制を整えていない企業が多いのが特徴。

<調査概要>

調査対象
  1. 日本企業165社へのアンケート調査
  2. 排出量取引の仲介、転売などを行う企業5社へのヒアリング
  3. オープンデータ収集
調査方法
アンケート調査郵送とインターネット調査の併用(質問項目は同一)
調査期間
2008年9月〜12月
本件に関するお問合せ先
株式会社シード・プランニング
〒113-0034
東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル4F
TEL : 03-3835-9211(代) / FAX : 03-3831-0495
E-mail : info@seedplanning.co.jp
担当 : 金森(かなもり)