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データヘルスの市場予測
データヘルス事業領域の市場規模は、
◆ 2014年度で推定1,950億円程度、
2020年には2,100億円強の市場になる予測
◆ 分野別では「特定健診・特定保健指導」が9割強を占める
市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、データヘルスの市場動向に関する調査を実施し、このほど、その結果をまとめました。
2013年6月に閣議決定された日本再興戦略において、健保組合など保険者に対し、レセプト等のデータ分析、分析に基づく加入者の健康保持・増進のための事業計画として「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組みを求めることが示されました。
「データヘルス計画」では、健診・レセプト等データの活用により、健保組合や事業所における全体的な健康・医療状況の把握、保健事業の効果が高い対象者の抽出が示されたほか、ポピュレーションアプローチや加入者の健康度に合わせた情報提供、糖尿病等重症化予防のためのハイリスクアプローチなど、健保組合の特性を考慮した身の丈に応じた事業範囲の設定が推奨されています。
また、データヘルス事業では、データ分析に基づく既存保健事業の棚卸し、費用対効果の追及、PDCA サイクルによる持続可能な事業の確立が求められるほか、事業主と連携して加入者・従業員の健康保持・増進を支援するコラボヘルスが推奨されている点も大きな特徴です。
本調査では、支援事業者20社、健保組合2団体、協会けんぽへの取材調査により、データヘルスによる保健事業支援市場のビジネス拡大の可能性を探りました。
なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート 「データヘルスの市場動向と保険者支援事業の展望−健保組合等のデータヘルス/コラボヘルスによる市場拡大の可能性−」 として販売しております。
本書の詳細とご購入は ⇒ http://store.seedplanning.co.jp/item/8639.html
調査結果のポイントは以下の通りです。
調査結果のポイント
◆ 2014年度で推定1,950億円程度、
2020年には2,100億円強の市場になる予測
◆ 分野別では「特定健診・特定保健指導」が9割強を占める。
データヘルス事業領域の市場規模予測
データヘルス事業で保険者が取組む主な領域は「レセプト等データ分析・企画立案」、「特定健診・特定保健指導」、「重症化予防・受診勧奨・制度外保健指導」、「PHR システム(ポピュレーションアプローチ等施策)」が考えられる。
保険者全体の保健事業費総額が約6,000億円(2013年度)となるが、そのうち、これらデータヘルス事業領域の市場規模は、2014 年度に1,954 億円と推計され、第一期が終了する2017 年度までに、2014 年度比35 億円増の2039 億円に成長する。
第一期で培ったエビデンスや評価指標に基づく更なるデータヘルス事業の加速により、2020 年度までに少なくとも2,110億円 の市場に成長すると予測される。
事業領域別では「特定健診・特定保健指導」が9割強を占める。
→ 特定健診・特定保健指導
2020年度までに2014 年度比6.6%増の伸び率と予想。保健事業の中核に位置付けられ、データヘルス事業においてもデータヘルス計画と特定健康診査等実施計画を相互に連携して策定することが望ましいとされており、市場は堅調に推移すると考えられる。
→ レセプト等データ分析・企画立案
2020年度までに2014 年度比9.2%増の伸び率と予想。データヘルス事業評価に資するデータ分析、ならびに医療機関受診勧奨や重症化予防対象者の抽出、ジェネリック医薬品利用促進などの分析ニーズが高まると想定される。
→ 重症化予防・受診勧奨・制度外保健指導
2020年度までに2014 年度比11.3%増の伸び率と予想。
糖尿病等生活習慣病予防・改善、重症化予防のための保健指導や医療機関受診勧奨、前期高齢者訪問指導など、加入者の健康度や保有するリスクに合わせた自由度の高い介入施策の拡大が期待される。
→ PHR システム(ポピュレーションアプローチ/情報提供/セルフケア支援)
2020年度までに2014 年度比9.4%増の伸び率と予想。
ポピュレーションアプローチ施策ニーズの高まりを受け、導入件数自体は今後も増加傾向と予想される。一方、低価格化や既存事業の付加価値サービスとして無償提供する事例もあるなど、保険者からの利用料等収入以外の新たな収益源を確保することが市場拡大に寄与すると考えられる。
データヘルス事業領域の定義
データヘルス事業では、レセプト等データ分析に基づく保健事業企画策定、施策の実施(主にポピュレーションアプローチ、特定健診・特定保健指導、糖尿病等重症化予防や受診勧奨などハイリスクアプローチ)、事後の効果測定・評価をPDCA で運営することが求められている。
そこで、保険者が取組む保健事業のうち、「レセプト等データ分析・企画立案」、「特定健診・特定保健指導」、「重症化予防・受診勧奨・制度外保健指導」、「PHR システム」(ポピュレーションアプローチ/情報提供/セルフケア支援)に係わる事業をデータヘルス事業領域と定義した。
PHR システムの定義
PHR とはpersonal health record の略。データヘルス事業においては、加入者の健康状況に合わせた個別的な情報提供やポピュレーションアプローチ施策への取組みが示されていることから、PHR システムを“加入者が自身の健診結果等健康情報を閲覧・管理できる、または健康関連情報や自身の健康状況に即した情報提供を享受できる、または、自身の健康状態を維持・改善するためのセルフケア支援ツール”と定義した。
調査概要
- ■ 調査対象
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主要な参入事業者 (20 社)
アイ・エム・エス・ジャパン株式会社
株式会社イーウェル
株式会社インテージテクノスフィア(旧:インテージ)
ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社
株式会社ウェル・ビーイング
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
株式会社LSI メディエンス
株式会社全国訪問健康指導協会
DeSC ヘルスケア株式会社
株式会社DPP ヘルスパートナーズ
株式会社東芝
ニッセイ情報テクノロジー株式会社
株式会社日本医療データセンター
一般財団法人 日本予防医学協会
株式会社日立システムズパワーサービス
株式会社バリューHR
株式会社ベネフィットワン・ヘルスケア
ヘルスケア・コミッティー株式会社
株式会社ミナケア
株式会社メディヴァ
保険者 (3 団体)
協会けんぽ 広島支部、A 健保組合、B 健保組合(健保組合は匿名) - ■ 調査方法
- ヒアリング調査、インターネット調査、既存資料整理、オープンデータ収集
- ■ 調査期間
- 2014 年10 月〜2015 年3 月
〒113-0034
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担当 : 松田 陽子(まつだ ようこ)