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世界のペプチド医薬品の開発動向と市場展望を調査

2013/12/03

◆ ペプチド医薬品の開発対象はがん領域と糖尿病/代謝性疾患領域で半数を占める
◆ ペプチド医薬品市場は順調に成長
◆ ジェネリックペプチド市場は2020年に現在の3倍に成長

市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、世界のペプチド医薬品の開発動向と市場展望調査を実施し、このほど、その結果をまとめました。

ペプチドは20世紀中ごろから既に医薬品として利用されており、内分泌・代謝性疾患における成長ホルモンやがん治療時のホルモン療法として多数の製品が上市されています。近年では独自のスクリーニング技術による非天然アミノ酸配列を持つペプチド医薬品が開発・上市され、ペプチド医薬品に対する注目が高まっています。
ペプチド医薬品は従来の内分泌・代謝性疾患や骨粗鬆症、生殖器関連のがんだけでなく、感染症、皮膚疾患、自己免疫・炎症性疾患、脳神経疾患など幅広い疾患領域で開発が進められており、今後は医薬品市場全体を拡大させる成長ドライバーになると期待されています。また、合成技術の進展により、従来よりも長鎖で複雑なペプチドが合成によって簡単に製造きるようになり、より安価で安全性の高いジェネリックペプチドの開発・普及も期待されています。

シード・プランニングではバイオ医薬品の中でも中分子医薬品として注目を浴び、多様性に富んでいるペプチド医薬品について、世界での開発動向や技術動向、市場展望を調査しました。

なお、本調査結果の詳細は、調査研究レポート「2014年版 世界のペプチド医薬品開発の現状と将来展望〜中分子医薬品として注目を集めるペプチド医薬品の現状と展望〜」(価格:180,000円+消費税、2013年11月15日発刊)として販売しております。

調査結果のポイントは以下の通りです。

調査結果のポイント

◆ ペプチド医薬品の開発対象はがん領域と糖尿病/代謝性疾患領域で半数を占める

ペプチド医薬品の開発対象疾患領域は、バイオ医薬品に多い「がん領域」だけでなく、「糖尿病・代謝性疾患」や「感染症領域」など幅広い。また、近年ではアルツハイマー病に代表される「脳神経疾患」や「循環器疾患」における開発候補品数が増加している。

開発中のペプチド医薬品の開発対象疾患

◆ ペプチド医薬品市場は順調に成長

ペプチド医薬品の世界市場実績の推移

世界のペプチド医薬品市場は年率10%強で成長し、2012年度の実績は160億米ドルであった。市場をけん引しているのはGLP-1作動薬および多発性硬化症治療薬Copaxon(Teva)である。2007年からの5年で市場はおよそ倍になっている。


◆ ジェネリックペプチドは2020年に現在の3倍の市場に成長

ペプチド医薬品は注射剤が中心であるため錠剤中心の低分子医薬品のように特許失効後すぐにジェネリックに切り替わることはない。一方で、開発・普及の障壁は抗体医薬品のバイオシミラーほど高くない。2020年度の世界のジェネリックペプチド市場は2012年度に比べ約3倍の38億米ドルまで成長すると予測した。
現在、開発されている新規ペプチド医薬品の9割以上は合成で製造されている。これら合成ペプチドの新薬が上市され、ブロックバスターになっても、ジェネリックペプチドの開発・製造・販売は遺伝子組み換えのペプチド(バイオシミラー)に比べて容易である。合成法による製造技術の普及により2020年以降のジェネリックペプチド市場を押し上げることが期待される。
一方でVICTOZAのように遺伝子組み換え技術で製造されるペプチド医薬品について、バイオシミラー開発に関する表立った情報や企業動向はない。これらのバイオシミラーがどのような企業によって開発・上市されるか注目される。

ジェネリックペプチド世界市場の現状と展望

2012年、2020年の市場概況は次の通り。
2012年 ・・・ ・古くから利用されている生理活性ペプチドが中心
         ・大型のジェネリック製品がなく、多品目で市場が構成されている
2020年 ・・・ ・Copaxonのジェネリックが市場を押し上げ
         ・Byettaなどのジェネリックも市場拡大に貢献

調査概要

■ 調査対象のペプチド医薬品
• アミノ酸残基50以下のものをペプチド医薬品として取り扱った。
• インスリンはペプチド医薬品とは別の市場として取り扱った。
■ 調査方法
• インターネット、文献検索等による情報収集
• 関連企業/研究者への訪問ヒアリング調査
• 海外国際会議(The 8th Annual Peptide Therapeutics Symposium La Jolla, CA2013年10月)での情報収集
■ 調査対象企業
[ペプチド医薬品の開発を中心に行っている企業]
  1) AC Immune SA(スイス)
  2) Action Pharma A/S(デンマーク)
  3) AEterna Zentaris Inc.(カナダ)
  4) AFFiRiS AG(オーストリア)
  5) Agenus Inc.(米国)
  6) Aileron Therapeutics, Inc.(米国)
  7) Alizé Pharma(フランス)
  8) Allon Therapeutics Inc.(カナダ)
  9) Anchor Therapeutics, Inc.(米国)
  10) Angiochem(カナダ)
  11) Angstrom Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  12) Anthera Pharmaceuticals,Inc.(米国)
  13) Antigen Express, Inc./Generex Biotechnology(米国)
  14) Apellis Pharmaceuticals(米国)
  15) Apitope International NV(ベルギー)
  16) Arrowhead Research(米国)
  17) Auris Medical AG(スイス)
  18) BioDiem Ltd(オーストラリア)
  19) BioLineRx Ltd.(イスラエル)
  20) Bionor Pharma ASA(ノルウェー)
  21) CanBas(日本)
  22) Capstone Therapeutics Corp.(米国)
  23) Celldex Therapeutics, Inc.(米国)
  24) CEL-SCI Corporation(米国)
  25) Celtic Pharma Management L.P. (バミューダ)
  26) China Medical System Holdings Ltd(中国)
  27) Clinuvel Pharmaceuticals Limited,(オーストラリア)
  28) ConjuChem, LLC(米国)
  29) Compugen Ltd.(イスラエル)
  30) Cubist Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  31) Derma Sciences, Inc.(米国)
  32) ENKAM Pharmaceuticals A/S(デンマーク)
  33) Esperance Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  34) Exponential Biotherapies, Inc.(米国)
  35) Exsulin Corp(米国)
  36) FusoGen Pharmaceuticals, Inc.,(中国)
  37) Galena Biopharma, Inc.(米国)
  38) GreenPeptide Co., Ltd.(日本)
  39) immatics biotechnologies GmbH(ドイツ)
  40) ImmuPharma plc(フランス)
  41) Inimex Pharmaceuticals Inc.(カナダ)
  42) Ironwood Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  43) LipimetiX(米国)
  44) MannKind Corporation(米国)
  45) Merrion Pharmaceuticals, Ltd.(アイルランド)
  46) Neuren Pharmaceuticals Limited(ニュージーランド)
  47) Neurocrine Biosciences, Inc.(米国)
  48) Nile Therapeutics, Inc.(米国)
  49) NovaBiotics Ltd(英国)
  50) NPS Pharmaceuticals(米国)
  51) OctoPlus N.V.(オランダ)
  52) OncoTherapy Science, Inc.(日本)
  53) Oncothyreon Inc.(米国)
  54) Pacgen Life Science(カナダ)
  55) Palatin Technologies, Inc(米国)
  56) Pergamum AB(スウェーデン)
  57) Pharma MAR,S.A.(スペイン)
  58) PhaseBio Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  59) Phylogica Limited(オーストラリア)
  60) Polyphor Ltd(スイス)
  61) Protagonist Therapeutics Inc.(米国)
  62) Radius Health, Inc.(米国)
  63) RegeneRx Biopharmaceuticals, Inc.(米国)
  64) SciClone Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  65) Spectrum Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  66) Stemline Therapeutics, Inc.(米国)
  67) Synergy Pharmaceuticals, Inc.(米国)
  68) Theratechnologies Inc.(カナダ)
  69) United Biomedical, Inc.(米国)
  70) Zealand Pharma A/S(デンマーク)
  71) 7TM Pharma A/S(デンマーク)

[大手・中堅製薬企業]
  1) Amgen
  2) Bristol-Myers Squibb
  3) Eli Lilly
  4) Ferring Pharmaceuticals
  5) GlaxoSmithKline
  6) IPSEN
  7) Johnson & Johnson(Janssen)
  8) Merck KGaA(Merck Serono)
  9) Novartis
  10) NovoNordisk
  11) Pfizer
  12) Roche
  13) Sanofi
  14) 武田薬品工業
  15) 第一三共
  16) 塩野義製薬
本件に関するお問合せ先
株式会社シード・プランニング
〒113-0034
東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル 4F
TEL : 03-3835-9211(代) / FAX : 03-3831-0495
E-mail : info@seedplanning.co.jp
担当 : 番場(ばんば)