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世界の核酸医薬品開発の現状と将来展望がまとまりました。

2010/03/19

  ・ 核酸医薬品の開発対象疾患領域はがんを中心に多岐にわたる。
  ・ 抗体医薬と異なり、多くの製薬企業に研究開発・販売の機会がある。
  ・ 第2世代の核酸修飾技術登場によりアンチセンスの臨床開発が最も進んでいる。
  ・ 数年内に複数の核酸医薬品が登場すると予測される。

市場調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(本社:東京都台東区 梅田佳夫社長、以下シード・プランニング)は、世界における核酸医薬品の開発状況と将来展望について調査を実施し、このほど、その結果をまとめました。

現在、低分子医薬品・抗体医薬品に次ぐ新規医薬品として核酸医薬品に対する期待が高まっています。核酸医薬品は疾患に関連するmRNAやmiRNA、タンパク等を標的とするため作用機序が明確であり、副作用も少ないと期待されています。さらに抗体医薬との違いとして合成が可能であるということがあります。近年では第2世代のアンチセンス医薬やRNAi(RNA干渉)を利用した医薬品(siRNAなど)の開発が活発化しています。2008年にはmiRNAを標的としたアンチセンス医薬、静注製剤によるsiRNAの臨床試験も開始されました。ノンコーディングRNAと呼ばれる領域にはまだ解明されていないことも多く、今後、積極的に研究が進められ、新たな医薬シーズになり得る標的が多く創出されることが期待されます。
また、核酸医薬はそのままだと体内の消化酵素などによって直ぐに分解されてしまう為、ドラックデリバリー技術(DDS)が非常に重要となります。現在、臨床開発が進められている核酸医薬は患部への直接投与によるものが多いですが、今後は新しいDDS技術の開発によって静脈内投与や経口投与など投与方法の選択肢が増え、核酸医薬品の適用分野が大きく広がることが予想されます。

今回の調査では核酸医薬品開発について、世界における研究開発の状況とDDS技術の開発状況の2つの視点で調査を実施しました。特に本研究分野で先行している欧米企業の研究動向や臨床試験の状況を中心に国内企業の動向などをも調べ、核酸医薬品開発の展望を明らかにしました。

なお、本調査結果は調査研究レポート「世界の核酸医薬品開発の現状と将来展望〜シーズ開発とデリバリー技術開発の両面から〜」(価格:189,000円、2010年3月10日発刊)として販売しています。

調査結果のポイントは以下の通りです

核酸医薬品の対象疾患領域はがんを中心に多岐にわたる。抗体医薬と異なり、多くの製薬企業に研究開発・販売の機会がある。

核酸医薬品の対象疾患領域はがんを中心に循環器や眼、自己免疫・炎症、感染症、脳神経など多岐にわたっている。抗体医薬と異なり、多くの製薬企業に研究開発・販売の機会がある。

核酸医薬品(非臨床試験の開発段階以上)の対象となっている疾患領域

第2世代の核酸修飾技術登場によりアンチセンスの臨床開発が最も進んでいる。数年内に複数の核酸医薬品が登場すると予測される。

核酸医薬品の開発段階について最近はsiRNAの開発に注目が集まっているが、実際には第2世代の核酸修飾技術の登場によりアンチセンスの臨床開発が最も進んでいる。数年の内に複数の核酸医薬品が上市されることは間違いないと思われる。

開発段階(非臨床試験〜フェーズIII試験まで)からみた開発候補品の分布

核酸医薬品は既存の医薬品市場全体を大きく拡大させる可能性がある。

現在、臨床試験が進められている核酸医薬品の7割強は新規市場が期待できる①既存薬がない、もしくは②既存薬との併用として開発が進められている。これらの開発品が上市されれば、医薬品市場の拡大につながるものと期待される。

現在開発が進められている核酸医薬の臨床上の位置づけ
本件に関するお問合せ先
株式会社シード・プランニング
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