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DNAチップの将来展望をメーカー・ユーザー調査から予測
2015年の国内DNAチップ市場は2005年の5倍に成長
調査・コンサルティング会社の株式会社シード・プランニング(東京・台東 梅田佳夫社長)は、DNAチップに関する調査を実施し、調査研究レポート「2006年版ファーマコゲノミクス・ニュートリゲノミクス時代のDNAチップ市場の展望」(2006年3月発刊)にまとめた。
株式会社シード・プランニングでは、医薬、バイオに関する市場調査を継続的に行っているが、このほど、製薬企業が取組み始めているファーマコゲノミクス(遺伝情報を医薬品開発に利用すること)や食品分野で取組まれているニュートリゲノミクス(遺伝情報を機能性食品の解明などに利用する)の動向、当該研究に使用されるDNAチップの動向について、DNAチップメーカー、受託解析企業およびDNAチップのユーザーである製薬企業や食品企業、大学研究者等にアンケート・ヒアリング調査を行い、DNAチップ市場の形成状況や今後の市場規模をファーマコゲノミクス、診断、ニュートリゲノミクスの3分野別についてまとめた。
本調査結果のポイントは以下の通りである。
DNAチップ国内市場規模予測(2005年〜2015年)
本調査レポートでは各社、機関へのアンケートとヒアリング調査を行った結果から、2015年までのDNAチップ市場とブレイク要因についての予測を行った。
現在、大学や公的研究機関を中心に使用されているDNAチップは、2005年度で市場規模55億円(チップとそれに携わる消耗品)と推計した。今後、医薬品業界でのファーマコゲノミクスの本格化に伴い、2010年には130億円(2005年度比236%)程度まで増加すると予測。
また2009年頃からDNAチップメーカー各社が研究開発しているがんを中心とした疾病診断用DNAチップが実用化され、2013年頃には診断現場での使用が標準化し、2015年には研究分野と診断分野をあわせた全体市場でおよそ300億円程度の市場になると予測した。
300億円の市場の内訳は、製薬企業を中心とした研究分野が150億円、がんを中心とした疾病診断分野が150億円である。
また近年、大学や大手食品企業で取り組みが始まっているニュートリゲノミクス分野でのDNAチップ市場は、2015年度には25億円程度まで拡大すると予測した。DNAチップ受託解析市場は、2015年には50億円程度の市場になると予測した。
製薬企業にDNAチップ使用に関するアンケート調査を実施
本調査において、国内製薬企業および創薬ベンチャー企業16社にDNAチップの使用状況に関するメールによるアンケートを行い、13社より回答を得た。この結果より以下のことがわかった。
1.回答企業13社すべてが創薬においてDNAチップ使用してデータの収集を行っていた。
2.75%の企業が創薬におけるDNAチップ使用頻度について、2〜3年前に比べ増加していると回答した。
3.医薬品処方時におけるDNAチップを利用した「個人における最適投与量の決定」について、5年以内に本格化すると約半数の企業が回答した。
4.医薬品と連動した診断薬の開発について、85%の企業が開発の可能性があると回答した。
なお本調査レポートには、DNAチップメーカー17社、DNAチップ受託解析企業19社について個票を掲示した。
<調査概要>
- 調査対象
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- DNAチップメーカー及び受託解析企業・・・17社
- 製薬企業及び創薬ベンチャー企業・・・・14社
- 食品企業及び食品関連企業・・・・・・・2社
- その他DNAチップ関連企業・大学・・・・6社1大学
- 調査方法
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- 対面ヒアリング調査・・・・・・・・・・・・・・・14社、1大学
- メール・FAXによるアンケート調査・・・・・・・・35社
- 当社所有の既存データ・オープン情報による調査・・4社
- 調査項目
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- DNAチップの現在から2015年までの売上予測
- DNAチップメーカーの国内シェア
- DNAチップ利用の将来予測
- DNAチップ等を利用した医療の特長と課題
- 調査期間
- 2005月11月〜2006年2月
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